ここまで先輩方に様々な思いを綴っていただきました。それも今回が最後となります。ブログリレー8人目を務めるのは主将の皆川駿大さんです。
1年間、主将を務めさせていただいた、4年の皆川 駿大(人文社会学部、湘南)です。
1年から、こうして毎年のようにブログリレーを読み、そして同期のブログリレーを読み、ついに自分の番になってしまいました。いやあ本当に早いものですね。
さて、前置きはここまでにして、今回のブログリレーでは、自分の大学野球の軌跡を綴りたいと思います。長くなると思いますが、ぜひ最後まで見てくださると幸いです。
私は、野球をプレーすることが好きです。試合はもちろん好きなのですが、ライトに照らされながら残って練習をするのも好きです。野球大好キッズというやつですね。
ただ、やっぱり試合に出て活躍しないとつまらないので、私は六大学のようなレベルの高いところではなく、国公立大学で野球をすることを選びました。
最初の練習に出る前、正直私は、都立大は2部の下位に甘んじる弱いチームだと思っていました。しかし、初めて試合を見た際、キャッチャーのあまりの爆肩ぶりに非常に驚いたことを覚えています。
しかし、それ以上に驚いたのは、先輩たちがめちゃくちゃ楽しそうに野球をやってて、そして自分にもめちゃくちゃ優しく接してくれたことでした。
「楽しみながら野球に取り組む。」
高校野球を経験した自分にとって、この矛盾するかのように思われることを両立するこの野球部に、私は魅了されました。
そのような気持ちで大学野球生活をスタートした私は、幸運にも、少しずつではありますが、試合に出れるようになりました。
しかしながら、そんなに甘くはありませんでした。1年の秋リーグ戦、私は2試合連続で一番大事な場面でバントを失敗し、先輩たちのリーグ戦を台無しにしてしまいました。
ただ楽しく野球に取り組んでいただけの自分とは違い、先輩方は楽しみながらも死ぬ気で勝利を目指していました。その中でそんな風に部活に取り組んでいた自分が情けなくて、悔しくて、申し訳ない気持ちになりました。
2年の春リーグ戦、私にほとんど出番はありませんでした。その中で、チームは破竹の勢いで勝ち進み、ついに優勝をしました。ベンチの中で騒ぐのは、それはそれで楽しかったけれど、同期が活躍し、チームがそれに合わせて優勝していくのを見たとき、それをベンチでただ見ているのが悔しくて、それを悔しく思う自分がとても嫌いでした。
今のままでは大学野球がただやっただけで終わってしまう。それが嫌だった自分は、努力の方向性を変えることにしました。
練習量があれば勝手にうまくなるという幻想は捨て、たくさんの情報に触れ、自分のバッティングを分析し、筋トレにも本格的に取り組むようにしました。その結果が実った、とまではいかないかもしれなかったけれど、その年の秋リーグでは、全試合に出場することができ、少しだけではあるものの、自分に自信がつきました。
しかし、そんな自分とは逆に、今度はチームの成績が急降下。最下位決定プレーオフでの逆転サヨナラで何とか残留はしたものの、優勝とは程遠い結果となってしまいました。
3年の春は自分も活躍して、絶対に優勝する。そう意気込んで、冬の練習に取り組みました。
そして、3月に入り、練習試合が始まりました。チームも自分も絶好調で、これなら絶対に優勝できる、1部に昇格することができると思った時でした。
コロナウイルスの影響で、大学が閉鎖されました。リーグ戦も延期になりました。そして、気付いたら家の中で、リーグ戦の中止が発表されていました。
自分の気持ちが全く整理されず、どうしたらよいか全く分からない中で、急に自分たちの代が来るという現実が襲ってきました。
どうすればよいか分からない。でも、絶対に1部に昇格したい。持ち前の明るさで、チームを引っ張りたい。そんな気持ちから、主将に立候補しました。
しかし、主将になってからも、まだ活動は停止されたまま。いつ練習ができるようになるのかと感じていた中で、ふと気づくと、そこでは六大学野球が開催されていました。しかし、そこで自分に起きた感情は、負の感情でした。
「どうして六大学野球は開催されているのに、自分たちは練習さえできていないんだ」
そうした負の感情が自分の中を駆け回り、それを態度に出すようになってしまいました。
あのとき、監督である直哉には、本当に良くない態度をとっていました。あのときは、本当にごめん。
そして9月、やっと対面での活動が大学から許可されました。約半年ぶりの全体での活動の中で、自分が主将としていかに甘かったかを痛感しました。
最初、自分は、みんなが楽しく野球ができるように、明るく盛り上げられれば良い。そう思っていました。しかし、全くうまくいきません。
そこで私は、1年のころからの勘違いにようやく気付きました。
下級生が楽しく野球をできているのは、幹部である先輩方がしっかりとチームをまとめ上げていたからなんだと。
野本さんしかり、黒須さんしかり、そうした先輩方が、ときには厳しく、そして基本的には自由にやらせてくれたから、自分はこんなに楽しく、そして野球だけに集中することができたいたんだと。
そのあとは、学年でも何度も話し合い、そして、自分自身も変えるようにしました。
その結果、代替試合では、何とか準優勝をすることができました。最高の結果ではないですが、方向性が間違ってはいないことを再確認することができました。
そこからはあっという間でした。絶対に2部優勝して、1部に昇格する。そのためにやるべきことを一つずつやっていく。めちゃくちゃ大変で、主将をやめたくなったことも一度や二度ではありません。そんな中でも、同期が助けてくれ、そして後輩がついてきてくれたからこそ、ここまで来ることができました。
ここからは、お世話になった方への感謝を綴ろうと思います。
まずは同期のみんなへ。個性あふれるこのメンバーの中で、個性があるがゆえに色々な衝突をしました。でも、それはみんながこのチームをよくしたいと思っていたからのこと。このメンバーの中で、正直一番普通で、足もさくみたいに速くなく、守備も伊藤より全然下手で、たけや直哉みたいなバッティングセンスがあるわけでもなく、猫や野地みたいなパワーがあるわけでもなく、優里のように誰よりも尊敬されるような人ではない自分が1年間主将としてやってこれたのは、同期のみんなが助けてくれたおかげです。
次に先輩方へ。とても面白くて、そして些細な悩みにも真摯に耳を傾けてくれた先輩方が大好きでした。特に、秋まで残ってくださった4人の先輩方には、色々と相談に乗っていただきました。リーグ戦という形で最後に一緒にプレーすることができなかったのは残念でしたが、代替大会という形で先輩方とプレーできて本当に嬉しかったです。
マネージャーのみんなへ。主務をしていたからかもしれないけど、マネージャーがこのチームにとって大事な大事な戦力となっていたことをいつも感じていました。それにも関わらず、さらに仕事を押しつけたり、ムチャクチャなお願いをしたこともたくさんありました。そんなときでも、いやな顔一つ見せず、いつも笑顔で、真摯に取り組んでくれて、本当にありがとう。いつも尊敬しています。
続いて自分の知らないOBの方々へ。主務として活動していたとき、OBの方々が大きな援助をしてくださっていたことを知りました。本当にありがとうございました。自分が引退した後も、引き続き応援をよろしくお願いします。
そして藤井先生。選手のみんなはあまり知らないかもしれないけど、コロナ期間中、課外活動が再開されるよう、大学にずっと掛け合ってくれていたのが藤井先生でした。本当にありがとうございました。ぜひ結果で恩返ししたいと思っております。
両親へ。16年間、最初は少年野球の監督から始まり、中学、高校とずっと一番に応援してくれました。父は何度もアドバイスを、そして母は何度も自分を励ましてくれました。去年からはコロナでなかなか現地での応援は難しくなってしまっているけど、ぜひもう一度、最後に自分の精いっぱいのプレーを見せられたらと思います。
他にも、リーグ戦を開催するにあたって尽力してくれた連盟、活動停止中に老害だと思いながらも受け入れてくれた母校の後輩、高校時代からいつも自分のことを応援してくれていた高校の同期など、挙げればきりがないほど、自分は色々な人に支えられてきました。それは、野球をやっていなかったら分からなかったかもしれません。本当に皆様、ありがとうございました。
最後に、後輩への感謝の気持ち、そしてメッセージを伝えて、このブログリレーを締めさせていただきたいと思います。
後輩のみんなへ。まずは、1年間、自分についてきてくれて、本当にありがとう。野球がうまいわけでも、みんなを引っ張るリーダーシップがあるわけではない自分に、みんなは不満一つ言わずついてきてくれました。君たちが後輩じゃなかったら、自分は主将をできていなかったと思います。みんなはどう思っているかは分からないけど、俺はみんなのことが大好きです。
1年生のみんなへ。まだ入学して間もないけれど、その真面目さ、優しさには感心させられているばかりです。あと半年、まだ老害として居座るので、ぜひ仲良くしてください。
2年生のみんなへ。1年前、コロナウイルスがあって、これから野球ができるかどうかも分からないのに、硬式野球部に入ってくれてありがとう。
この春のリーグでは、悔しい思いをしている人が多いと思うけど、その悔しさが、自分自身を成長させる原動力に必ずなります。まだまだ先は長いから、しっかりと結果と自分に向き合って、これから頑張れ。
3年生のみんなへ。3年生は、仲が良く、いつも楽しそうに野球をしているのを見てきました。それでいて根は真面目で、真摯に野球に取り組んでいるのを見て、自分もやらなきゃという気持ちにいつもさせてくれました。これからは自分たちの代です。過去の先輩方にとらわれすぎず、自分らしくやっていってください。
「当たり前のことは当たり前に、そして明るく取り組む」
これは自分が1年間ずっと言ってきた言葉です。これができていなかったときには、厳しいことも言いました。そして、自分は、これが口だけにならないよう、1年間、野球に取り組む姿勢を意識してきました。
野球がうまくないのだから、野球に取り組む姿勢で見せる。
これが1年間自分に課してきた目標でした。自分は、気持ちが弱いから、いつも自分を頑張って奮い立たせていました。最上級生になるときには、自分の弱い部分にもしっかりと目を向けてください。最上級生が自分の弱い部分から目をそらさず取り組んでいれば、後輩は自ずとついてくるはずです。
結局、自分は人に嫌われたくないという気持ちを完全に捨て去ることはできませんでした。それでも、後輩のみんなが自分の野球に取り組む姿勢から、何かを感じ取ってくれていたら嬉しいです。
ついに、リーグ戦も残り3試合となりました。
自分が入部した当初は、こんなに本気で1部昇格を目指せるチームになるとは思っていませんでした。それでも、今は、全員が1部昇格という目標に向かって取り組んでいます。
この激動の4年間で野球をやれたことを誇りに思います。
残るは3試合です。全て勝たないと優勝できないというプレッシャーの中での試合ですが、ここまですべての試合を3点差以内でくぐりぬけてきた僕たちなら、きっと3連勝できるはずです。
最後は楽しむのみ!絶対優勝しよう!