これまでこのブログリレーでは4年生に様々な思いを綴っていただきました。そんなブログリレーも今回が最後になります。
ブログリレー12人目を務めるのは、我らが監督、黒須康太さんです。
1年間監督を務めさせていただいた黒須康太です。
初めに,東京都立大学硬式野球部を支えていただいているすべての方々に感謝いたします。
この状況になってあらためて,あたり前に部活動ができていた日々がいかに素晴らしいものであったかを痛感させられます。
せっかくの機会ですので,私の長い話にお付き合いいただければ幸いです。
「頑張ったってのは自己満足でしかない」
だからこそ,他人に認めてもらえるまで努力するし,結果に貪欲になる。
その過程がどうであれ,他人は結果しか見ることができない。
自分を評価してもらいたかったら,結果を出せ。
過程を見てもらえると期待するな。
中学生のころに恩師から頂いた言葉。それを自分なりに解釈した。
この言葉を胸に,今まで野球に取り組んでいたように思う。
結果が出せれば何でもいい。練習をサボっていても,練習をまじめに一生懸命取り組んでいても,関係ない。それはその人自身の選択。サボって結果が出るならそれでいい。結果の前には,一生懸命もサボりも,何も残らない。
下手だから練習した。
理想とするプレー・選手には程遠くて,色んな考えを試した。
思うように体が動かなくて,筋トレした。
自分で全部把握したくて,主務を務めた。
自分の思う練習がしたくて,先輩に意見した。
理解できなくて,後輩に同期に先輩に疑問をぶつけた。意見を押し付けた。
とにかく結果を残したかった。自分が試合で活躍したかった。理想とする自分に少しでも近づきたかった。チームを率いて勝ちたかった。
入れ替え戦,一部昇格を目前に負けたあの試合。
試合後,自分には何も残っていなかった。空っぽになった。
チームを理想の集団にしたくて,監督になった。
新チームになって初めて気づいた。
自分ひとりで何も決められない。決定に自信が持てない。
「自主性を重んじる」「みんなで決定する」「みんなのやりたいことは何?」
自分で決断できない防御壁。
チームメイトにどう頼ればいいかもわからない。
自分のプレーすらままならない。苦しかった。
自分の結果に対する姿勢は,安全圏の中で虚勢を張っているだけだった。
自信がなく何もできない自分がいた。
先輩がいたから,自分のプレーに集中できた。
後輩がいたから,見本になろうと進んできた。
同期がいたから,自分の考えをぶつけ一緒に努力できた,楽しんできた。
家族や先輩,同期,後輩,先生,クラスメイト,対戦相手,その他野球人生の中で関わってきたすべての人たちに,自分は助けられていた。
自分だけで頑張っていたつもりが,チームに助けられていた。
チームがいたから,自分があった。
チームでしか成しえないものがあった。
私が思う部活動の意義はここにある。
自分の好きなことに真剣に打ち込み,弱さを出しつつも助け合い,大きな成果を上げる。
これを体感できたことが,私が硬式野球部で得た財産だ。
自分の弱さ,情けなさに向き合わされた。それでも支えてもらえた。
自分自身の成長だけでなく,チームで戦うことの意義,力,達成感を味わえた。
「頑張ったってのは自己満足でしかない」
なんのために頑張るのか。自分の為である。
他人の評価を気にすることもなく,自分がやって来たことに自信と誇りを持つ。
その過程が大切。結果は二の次。自ずと出るもの。
努力や結果は他人が評価するもの。他人はみてくれているし,助けてくれている。
安心して努力すべき。
硬式野球部にいたからこそ気づけたこの解釈。
自分と他者を認められてこそチームになれる。もっと早く気が付きたかった。
気付かせてくれた方々には本当に感謝しています。ありがとうございます。
後輩のみなさん。ぜひ、何でもいいので硬式野球部で活動する意義や価値を見出し,自信と誇りをもって一生懸命取り組んでください。部活動に取り組むことはそれほど価値のあるものです。いくらでも素晴らしいものにすることができます。みんな次第です。
思いっきり部活動をしましょう。
未熟で迷惑をかける私ですが,今後もよろしくお願いします。
必ず,新チームで1部に昇格しましょうっ