春季オープン戦も始まり、リーグ戦も約1ヶ月後に迫って来ました。今年も例年通り、新4年生一人ひとりに今までの大学野球への思いやリーグ戦へ向けての意気込みを綴っていただきます。第1回は、櫻井裕太さんです。
ブログリレーをご覧いただきありがとうございます。
初回を務めさせていただく新4年の櫻井裕太です。
ついに我々にもこのブログを書く時期がやってきたと思うと、改めて時間が経つのは早いものだと感じます。
私は1年の春から3年間投手としてプレーしていましたが、学業の都合上プレイヤーとして部活動を続けるのが困難となり、昨秋をもって引退いたしました。
現在は理学療法士になるための勉強をしています。
また何かこのチームの力になりたいと考え、学科で学んだことを活かして定期的に選手の身体の治療、コンディショニングを行っています。
ブログリレーを書くにあたって何を書こうかと考えましたが、今回は主に2つのことについて書こうと思います。1つはこの野球部に入ったきっかけについて、もう1つはこのチームに思うこと・伝えたいことについてです。
まず私がこの野球部に入ったきっかけについて書きたいと思います。
私は高校時代の大半を怪我で野球ができないまま過ごしました。腰の痛みで授業中座っていることすら辛くなり、そこから1年以上満足に野球ができない状態が続きました。やっとの思いで復帰し、厳しい冬の練習を乗り越え、春の大会を控えた矢先、練習中に他の選手と交錯して別の怪我をしてしまい、大会を棒に振りました。怪我が治った頃、私に残されていたのは最後の夏の大会だけでした。
もともと実力もなくこんな高校野球人生を送っていた私は、それまで試合に出たことはおろか、ベンチ入りすらしたことがありませんでした。そんな私が最後の大会に出るのは絶望的な状況でした。しかし怪我に負けてこれまでの努力や時間、周りの支えを無駄にすることはできないと思い、未熟者なりに全力で野球に取り組みました。
迎えた最後の大会、チームは激戦区神奈川でベスト16に輝きました。幸運にも私は2試合に登板する機会をもらい、そのうちの1試合では先発を任せてもらうことができました。しかし、横浜スタジアムで行われた最後の試合に私の出番はありませんでした。
あの時の球場の景色は、今でもはっきり覚えています。
マウンドでも打席でもなく、ベンチからただチームが負けていくのを見ていたことを。
本当に悔しかったです。あの時、絶対に大学でも野球をやろうと決めました。
大学では絶対に自分が大事な試合のマウンドに立って勝利を挙げてやろうと思いました。
それと同時に私はこれほど怪我に苦しめられなくてもよかったのではないか、もっと早く治せたのではないかと思い、いろいろな道を模索した末に理学療法士の道を志しました。
その後都立大にはその両方の目標をかなえることが可能な環境があると知り、この大学を志望して合格したのち野球部に入部しました。
これが、私がこの野球部に入った理由です。
その後私は1年の春からリーグ戦に出る機会をもらいました。しかしその後実力をなかなか伸ばすことができず、2年生の間は公式戦に出ることができませんでした。
チームの成績が上がっていく中で自分は何もできず、とても苦しい思いをしました。
それでもマウンドに立つため、仲間の助けもたくさん受けながら練習を続けました。
そして3年の春になり、チームは大躍進を遂げました。32季ぶりに2部リーグ優勝を果たし、1部との入れ替え戦へコマを進めました。
迎えた入れ替え戦の初戦、その大事なマウンドに、先発として私は立つことができました。
私にマウンドを託してくれた監督、先輩方、文句も言わず支えてくれたチームメイトには、心から感謝しています。いろいろな人の支えが力となって立つことができたマウンドでした。
結果的に試合は負けてしまいました。入れ替え戦も敗退となり、1部昇格を叶えることはできませんでした。ずっと仲間と目標としてきた1部昇格を成し遂げられず、本当に悔しかったです。自分にもっと力があればと、申し訳ない気持ちにもなりました。
その気持ちはずっと消えないと思います。
ただその一方で、高校時代の悔しさを胸にこの野球部に入った私にとっては、大事な試合で自らマウンドに立って投げるんだという目標を少しは叶えることができたのではないかなと思います。
1人では叶えられなかった目標です。本当に周りに恵まれたと思います。
大学に入って野球を続けてよかったなと思うと同時に、今度は支える側として、この仲間たちを1部に昇格をさせてあげたいという新しい目標もできました。
これからはこのチームに対して、少しでも恩返しができるように私なりに応援しようと思います。
つぎに、私がこのチームに思うこと・伝えたいことについて書きたいと思います。
このチームは今、過渡期にあると思います。
東京都立大学野球部がどのような野球部であるかを決める時期です。
私がこの野球部に入った頃は、チームはBクラスの常連でコールド負け続きでした。
しかしそれからの3年間でこのチームは確実に強くなりました。
4期連続でAクラス入りを果たし、優勝も経験しました。
先輩方をはじめとして、みんなの勝ちたい思いをぶつけてきた成果だと思います。
しかし前回は優勝した時の戦力が多く残っていたにもかかわらず、最下位決定プレーオフで3位という結果でした。
勝ち負けだけがすべてだとは思いません。
苦しい時期にはたくさんのことが学べるし、本気で取り組めばかけがえのない仲間ができます。
私もこの野球部でたくさんのことを学び、かけがえのない仲間ができました。
しかし、東京都立大学野球部がいいチーム、強いチームであると、この野球部は生まれ変わったんだと胸を張って言うためには、今は勝ち続けなければいけないと思います。
そしてそれがこのチームを作ってきた先輩方や応援してくれる方々、様々な形で支えてくれる方々に対して一番の恩返しになると思います。
何よりこのチームで勝つことが、大学に来て真剣に野球を続けてる自分たちにとって一番の喜び、楽しさであり、我々にしか経験できない野球の醍醐味ではないかと思います。
このチームは監督が選手であり、全員が同世代の人間です。
だから1人1人がチームに与える影響は非常に大きいと思います。
つまり、良くも悪くもチームを変えることができるということです。
みんながチームにいい影響を与える選手になって、全員の力で春リーグを優勝してほしいと思います。
そして、チームでずっと目指している”一部昇格”を果たして、新生「東京都立大学野球部」の歴史の一歩目を堂々と刻んでほしいと思います。
そのために私も最大限のサポートをしたいと思います。
最後に、日頃より東京都立大学野球部を応援してくださる皆様に心より御礼申し上げます。
学生主体の本学野球部では、皆様の支えなくしてプレーすることはできません。
OB・OGの方々、部員のご家族の皆様、また大学職員の方々など、数多くのご支援により初めて活動に取り組むことができていると実感しております。
部員一同、結果で恩返しできるように全力で取り組んで参る所存であります。どうかこれからもご支援、ご声援のほど、よろしくお願い致します。
また1年次にご指導いただいた小宮山悟様に、この場をお借りして厚く御礼申し上げます。
入部して間もない私に直接指導してくださり、私にとってかけがえのない経験になりました。
直接成長した姿をお見せできないのが心残りですが、この貴重な経験をこれからの人生に生かしていけるよう精進して参りたいと思います。
とても長い文章になってしまいましたが、お付き合いいただきありがとうございました。
私も理学療法士として、目標に向かって頑張りたいと思います。
さて、次回は私と同じように昨秋でチームを引退した近藤剛史のブログです。
彼自身のように、重みのある文章がみられると思います。どうぞご期待ください。