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2017

ブログリレー⑥

ブログリレーの6人目は投手の山本当さんです。

『猫の生死は箱を開けるまで分からない』




しかし僕の経験によれば、

過去の自分の決定は、今あるいは未来の自分によって成されます。

そして普通に考えて、時間というのは進む一方で戻ることはありません。
(ちなみに「普通」とは、宇宙あるいはそれ以上の空間に存在する無数の価値観の中で、自分の持つ価値観を、特別に基準とした場合に用いられる言葉。ある環境下で多くの人が共通とする価値観を「普通」と表現することもあるが、本来それは「大多数である」ことに過ぎない。)


だとすれば、過去の自分というのはきっと、時が進むにつれて変化します。今この瞬間、自分の大学野球生活を振り返ろうとしても、この文字を打ち込んでいる間、時間の経過とともに、自分の過去の人生は変化してしまうでしょう。自分の過去は、大切なものです。宇宙の始まりビッグバン、あるいはさらにそれ以前があるのかどうかは知りませんが、とりあえず長い時間をかけて僕は誕生し、過去の出来事を全て一つ一つ積み重ねたうえで、今という瞬間にいます。しかしそれと同時に、時の流れに逆らうことのできない僕たちにとって、常に変化してしまう過去の自分など、どうでもいい存在でもあるのです。だから野球をやってきて良かったとか辛かったとか、そういった評価はこれから先の自分に任せます。


ただそうなると問題は、これから先の自分か存在するのかどうかであって、未来というのは、あくまで未確認な時空なのです。これまでの統計からすると時は止まることはないのだから、きっといつか遭遇するだろう、という程度のものでしかありません。人は安定を求めて、いつか遭遇するだろうという希望的観測の下、未来への備えをします。恥ずかしながら僕もそうです。もちろん未来を考えてみることで、今という瞬間にいる自分を成長させることができる可能性はあります。ただやはり不確定なものである以上、未来へのこだわりが後悔となることもありえます。


結局、自分の人生はもちろん、世の中で起きる出来事すべてにおいて、何が良くて何が悪いなんてことは、到底分かるものではありません。誰にも分からないのですから、僕は自分の興味に従って生きていくことにします。自分の意志で朝起きて、自分の意志で朝食をとって、自分の意志で昼寝をします。目が覚めた後、お昼ご飯を食べることも、その後昼寝をすることも、自分の意志です。ボールを投げることも、ポール間を走ることも、首都大野球部に時間を拘束されることも、すべて自分の意志で道を決めます。それが今、僕が野球部に所属している理由であって、これから遭遇するであろうという希望的観測の下に、少しだけ先のことを想うのならば、引退するときまでその理由は変わらないものであってほしいと願います。自分の時間を生きられないようでは、猫になってしまうかもしれませんし。




最後に。
スケッチブックには将来の夢を書きました。将来の夢を問われると、職業の名前を答える人が多いそうです。でもそれは夢としてはあまりにも小さすぎると僕は感じます。今のところ僕の夢は書いた通りですが、課題はもちろん、そんなもの人によって違うと簡単に反論されてしまうことでしょう。対する答えはまだ分かりません。


WRITER:山本当
コメント
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シュレディンガーの猫
2017-04-03 23:54:27

物理科ならでは、流石としか言いようがありません。
希望的観測でしかありませんが、リーグ戦の活躍を期待します。