後編です。9月9日(土)の試合が延期となった関係で、同大学との連戦になりました。
工学院大学は前日の勝利で入替戦を回避することが確定。一方の都立大はまだ最下位の可能性が残っているため、決して気を抜くことはできません。前日に大幅なオーダー変更がありましたが、この日もまた打順を組み替えて臨みました。
先攻は都立大。この日1番打者を任されたのは、中村(理学療法・3年です。初回、中村は四球を選んで出塁します。2番助川(数理科学・4年)が送りバントをきっちりと決め、3番田中(環境応用化学・2年)のファーストゴロが進塁打となり、2死三塁。
この日4番に座ったのは、今秋打撃好調の小林(経済経営・2年)。小林はボールを見極めて四球で出塁します。打順は5番杉山(作業療法・1年)に回りました。杉山は2ストライクと追い込まれてからの3球目を振ってサードへのゴロ。しかし、サードが打球を逸らし、中村が生還して先制点を奪いました。
6番髙野(電子情報・3年)も四球を選び、2死満塁となったところで打席には7番渡邉(生命科学・2年)が入ります。渡邉は低めのボールを振りぬくと、打球はセンターへの長打となり、走者一掃のタイムリー二塁打で3点を追加。初回から4点のリードを奪いました。
会心の一撃を放った渡邉舜(生命科学・2年)
1回裏、都立大のマウンドには、リーグ戦初先発の佐々木(理学療法・1年)が上がります。しかし、先頭打者に初球を捉えられ、レフト前ヒットで出塁を許してしまいます。その後2死二塁で4番打者を迎えましたが、2球目を打って、当たりはセンター昼間(生命科学・3年)の前へと落ち、1点を返されてスコアは4-1に。
2回表、先頭中村が初回に続いて四球で出塁すると、盗塁も成功させ、2死二塁で4番小林に打順が回ります。小林の打球はファーストの右へ。ベースカバーのピッチャーとの競争になりましたが、判定はセーフ。その間に中村はホームに帰り、再び点差を4点に戻します。
この日がリーグ戦初の4番となった小林幸永(経済経営・2年)
2回裏、佐々木は3本のヒットをあびて1死満塁のピンチを迎えます。ですが、ここは佐々木が意地をみせます。1番打者をファーストゴロに打ち取り、本塁封殺で2アウトをとると、2番打者を空振り三振に抑え、無失点で切り抜けました。
相手チームは3回から投手を交代。3回表は三者凡退に抑えられ、4回も9昼間が三塁線を抜けるヒットで出塁しましたが、得点を奪うには至りませんでした。
一方の佐々木も毎回ランナーを背負いながらも、要所を締めるピッチングで初回の1失点のみで試合を進めていきます。
試合は5回表、先頭の小林の打球はセンターへの会心の当たり。フェンスダイレクトのスリーベースヒットで出塁します。次の杉山の痛烈な当たりはショートが反応良くキャッチして1アウトとなりましたが、6番髙野がセンターに犠牲フライを放ち、6点目が入りました。
6回表、先頭の8番吉川(放射線・2年)が四球で塁に出ると、続く昼間が左中間を破る二塁打を放ち、無死二、三塁のチャンスをつくります。ここで相手は4人目の投手を送りますが、1番中村が1ボール1ストライクからの3球目を捉え、タイムリー二塁打で2点を追加。さらに、助川もライトオーバーの二塁打を放ち、スコアを9-1としました。
7回裏から都立大も投手を交代。2番手は小平(法・3年)です。この回を抑えればコールド勝利となるところですが、先頭打者にヒットを打たれ、続く打者にもストレートの四球を与えてしまいます。4番打者の犠牲フライで1点を返されますが、2死一塁と、あと1アウトで勝利の場面。ここで迎えた5番打者に、初球をレフトへ弾き返されます。その上、レフト髙野が打球を逸らし、ランナーが一気に帰ってきてスコアは9-3。点差を詰められて、試合は8回に突入します。
8回裏から、前の回に代打で出場した赤沼(化学・3年)がセカンドの守りにつきました。この回も小平が続投しますが、連打をあびて無死一、三塁とまたもピンチ。迎えた9番打者は3-6-4のダブルプレーに仕留めますが、三塁ランナーはホームを踏んで、9-4とまた点差が縮まりました。
そして迎えた9回表、1アウトから5番杉山がデッドボールで出塁すると、ここで代打の柊(法・4年)が打席に入ります。前日撮影した意気込み動画では、「明日は是非(他の人に)打ってもらって...?」などと控えめな発言をしていた柊でしたが、3球目をライトへ弾き返して、これがヒットとなり出塁。自らのバットでチャンスを広げます?
ライトにヒットを放った柊甲志郎(法・4年)
7番渡邉が倒れて2死一、二塁となったところで迎えたのは8番吉川。その初球、低めに外れたボールはキャッチャーの後ろへ。それを見たランナーは進塁をしましたが、ここで相手は吉川の足にボールが当たっていたとアピール。実際にボールは当たっていたようで、本塁まで帰ってきていたランナーは、元の位置に戻ります。
1ボールとなった後の2球目、これがまるでリプレイかのようにワイルドピッチとなり、ランナーはそれぞれ1つ進塁。また、4球目もワイルドピッチになって、杉山が生還。ある意味、この回2度目のホームインとなりました。
さて、1死三塁となり、3ボール1ストライクからの5球目を打った吉川の当たりは、ファースト前へのボテボテのゴロ。飛んだところが幸いし、これが内野安打となってもう1点を追加します。
点差を7点として迎えた最終回、マウンドにはリーグ戦最初の試合以来の登板となった、渡邊(建築・1年)が上がります。
最終回に登板した渡邊耀介(建築・1年)
渡邊はなかなか制球が定まらず、3つの四球と2つのデッドボールで2点を失いましたが、大量リードにも守られ、最後はセンターフライでゲームセット。11-6で工学院大学相手に2年ぶりとなる勝利を飾りました。
これでリーグ戦の戦績は3勝6敗。このリーグは勝利数が同じ場合、前回順位が上のチームが上位の扱いとなるため(1位と最下位は除きます)、来週4勝目をあげたとしても5位となってしまいますが、負ければプレーオフ行きとなるため、絶対に負けることはできません。
では、今週の試合を自分目線で講評してみると...
1戦目は現在の実力負けというのが適切だろうなという感覚です。ただ、前編の最後にも書きましたが、どんな相手であろうと勝とうとする気持ちを失ってはいけないので、「打てない...」というマイナスな心を引きずらないように(表に出ないように)してほしいなと、スコアラー目線ですが、感じます。
2戦目は勝利という結果にはなりましたが、全体的に緊張感の薄い試合になってしまったところはあるかなと思っています。これは仕方がないところもあって、相手の順位が確定していたり、中盤で大きなリードを奪った試合であったりしたこともあるわけですが、最後はどこかオープン戦のような雰囲気になっていなかったかなと感じました。
(実際の緊迫した試合ではなかなかこういう雰囲気ではできませんので...)
何はともあれ、最低限の1勝ができたことは良かったです。来週が最終戦になることを願いますが、爽やかな気持ちで10月を終えることができればと思います。
それでは、また来週~
おまけ 三塁側ベンチ裏の隙間から撮影。この日は河村彩葉MG(写真手前)がスコアを担当しました!
執筆者 東京都立大学硬式野球部
マネージャー 窪島一真(人文社会学部人間社会学科・3年)
硬式野球部へのご連絡は、東京都立大学硬式野球部メールアドレス(tmubbc@gmail.com)までお願いします!